遺品整理・特殊清掃

仏壇の処分はどうする?閉眼供養の要否と4つの依頼先の費用比較

仏壇・位牌・神棚の処分方法を、菩提寺・仏具店・回収業者・自治体の粗大ごみの4経路で費用と手順を比較。閉眼供養の要否や、位牌だけ残す場合の選択肢も整理します。

しまいごとノート編集部
和室に置かれた扉の閉じた仏壇と、手前に並ぶ位牌
目次
  1. 仏壇・位牌・神棚を手放す前に決める3つのこと
  2. 閉眼供養(魂抜き)は必要か、宗派と寺院で扱いが違う
  3. 4つの依頼先の費用と手順を比べる
  4. 自治体の粗大ごみと回収業者に出すときの注意
  5. 位牌だけ残す・預ける場合の選択肢
  6. 神棚の処分は神社に相談する
  7. まとめ

仏壇・位牌・神棚を手放す前に決める3つのこと

仏壇の処分では、家財の片付けと供養の手続きが重なります。動き出す前に、次の3つを家族で決めておくと途中で止まりにくくなります。

  1. 位牌・遺影・過去帳を残すか、仏壇ごと手放すか
  2. 閉眼供養をお願いするか、お願いするならどこに頼むか
  3. 仏壇本体を誰に引き取ってもらうか

仏壇・位牌・お墓は民法897条の「祭祀財産」にあたり、預貯金などの相続財産とは別に、祭祀を主宰する人が引き継ぎます。実家の片付けで仏壇が出てきたときは、誰が祭祀を引き継ぐかを親族で先に決めてから処分の話に進むと、あとで「勝手に捨てた」と揉める余地が減ります。

引き取りの前には、仏壇の引き出し、台の下の収納、隠し戸をすべて開けてください。通帳や印鑑、土地の権利証、古い写真、現金がしまわれていることがあります。

先に確認すること

相続放棄を検討している場合、仏壇の中から出てきた現金や貴金属、骨董的な価値のある仏具を売ったり捨てたりする前に手を止めてください。仏壇本体が祭祀財産でも、中身は相続財産として扱われる可能性があり、処分すると相続を承認したとみなされるおそれがあります。家庭裁判所や弁護士・司法書士に先に相談します。

閉眼供養(魂抜き)は必要か、宗派と寺院で扱いが違う

閉眼供養は、開眼供養で仏壇や位牌に迎えた魂を抜くための読経で、「魂抜き」「お性根抜き」とも呼びます。多くの宗派で、仏壇や位牌を手放す前にお願いする習わしがあります。

浄土真宗では魂を入れる・抜くという考え方をとらないため、「遷仏法要」「遷座法要」などの名前で読経を行う寺院があります。同じ宗派でも寺院ごとに考え方や呼び方が違います。家の宗派名だけで決めずに、菩提寺があれば菩提寺へ、なければ同じ宗派の近くの寺院へ尋ねると食い違いが起きません。

閉眼供養に法律上の決まりはありません。行うかどうかは、家族と寺院の考え方で決まります。お願いする場合のお布施は1万〜5万円程度が目安で、自宅まで来てもらうときはお車代として5,000〜1万円程度を別に包むことがあります。

読者の疑問

菩提寺との付き合いがない場合、閉眼供養は誰に頼めばいいですか?

しまいごとノート編集部

仏具店や遺品整理業者のなかには、提携寺院の僧侶を手配するところがあります。僧侶の紹介サービスもあります。頼む前に宗派を伝え、お布施が定額か、出張費が含まれるかを見積もりで確認してください。

4つの依頼先の費用と手順を比べる

仏壇本体の引き取り先は、大きく分けて菩提寺、仏具店、回収業者、自治体の粗大ごみの4つです。費用だけでなく、閉眼供養を誰が段取りするかで手間が変わります。

依頼先費用の目安手順の流れ向いている状況
菩提寺お布施1万〜5万円程度、引き取りは寺院次第読経の日程を相談し、引き取りやお焚き上げの可否を確認付き合いのある寺がある
仏具店引き取り2万〜10万円程度大きさを伝えて見積もり、搬出日を決める小型の仏壇に買い替える
回収業者・遺品整理業者1万〜5万円程度訪問見積もり後、他の家財と一緒に搬出実家じまいで家具が多い
自治体の粗大ごみ数百円〜3,000円程度申し込み、手数料券を購入、指定日に搬出費用を抑え、自分で運び出せる

※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。

菩提寺は閉眼供養と同じ日に仏壇を引き取り、お焚き上げまで引き受けることがありますが、引き取りをしない寺院も多くあります。仏具店は新しい仏壇を購入する場合に、古い仏壇の引き取り費用を割り引く店があります。回収業者は仏壇以外の家財もまとめて運び出せるため、実家の片付け全体を1回で済ませたいときに段取りが減ります。粗大ごみは最も安く済みますが、閉眼供養の手配と搬出はすべて自分で行います。

自治体の粗大ごみと回収業者に出すときの注意

仏壇を粗大ごみとして受け付ける自治体は多く、手数料は幅や高さで決まります。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 粗大ごみ受付センターの電話かウェブで申し込み、品目と大きさを伝える
  2. 指定された金額の手数料券をコンビニや取扱店で買う
  3. 券を貼り、収集日の朝に指定の場所へ出す

位牌や遺影、過去帳は仏壇から抜いてから出します。大型の仏壇は重いので、2階から下ろすなら2人以上で運ぶ段取りを組んでください。収集所に出すと人目に触れるため、扉を閉じて布で覆う家庭もあります。

回収業者に頼む場合は許可の確認が欠かせません。家庭から出る不用品は一般廃棄物にあたり、回収して運ぶには市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可が要ります。環境省は、無許可の回収業者を利用しないよう呼びかけています。国民生活センターには、「無料回収」をうたうトラックに頼んだところ、積み込んだあとで高額な料金を請求されたという相談が寄せられています。依頼前に、許可番号と許可を出した市区町村名、書面の見積もりを確認してください。

位牌だけ残す・預ける場合の選択肢

仏壇は手放しても、位牌は手元に置きたいという家族は少なくありません。住まいの広さや、この先お参りする人が何人いるかで選び方が変わります。

  • 小型の仏壇や位牌台に移し、棚の上などで祀る
  • 複数の位牌を繰り出し位牌(くりだしいはい)1基にまとめる
  • 戒名や没年月日を過去帳に書き写し、位牌はお焚き上げする
  • 寺院や霊園に位牌を預け、一定期間供養してもらう

繰り出し位牌は、中に札板を何枚も差し替えて入れられる位牌で、本体と文字入れで1万〜5万円程度が目安です。まとめる際は、古い位牌の閉眼供養と新しい位牌の開眼供養を続けてお願いするのが一般的な流れです。位牌を預ける永代供養は数万円から十数万円程度で、三十三回忌までなど期間を区切り、満了後にお焚き上げする形が多く見られます。位牌のお焚き上げだけを頼む場合は、数千円から1万円程度です。

お墓も同時に整理するなら、遺骨を移すための改葬許可申請は、いまお墓がある市区町村に出します。移転先ではないので、書類を取り寄せる順番に気をつけてください。

神棚の処分は神社に相談する

神棚は仏壇と扱いが別になります。お札(神札)は授かった神社か、近くの神社の古札納所に納めます。神棚本体は、神社にお焚き上げを頼むか、神職に「御霊抜き」「昇神の儀」などの祭事をお願いしてから処分するのが一般的です。

受け付けの可否や初穂料は神社ごとに違い、数千円から1万円程度が目安です。1月15日前後の小正月に行うどんど焼きで、古いお札や正月飾りを受け付ける神社もあります。家族が亡くなって50日間の忌中は神棚を半紙で封じる習わしがあるため、処分の時期を忌明け後にする家庭もあります。

まとめ

仏壇の処分は、祭祀を引き継ぐ人を決め、引き出しの中身を確認し、閉眼供養の要否を寺院に尋ねるところから始まります。閉眼供養の扱いは宗派と寺院で異なるので、家族の判断で決める前に一度問い合わせると行き違いがありません。

本体の引き取り先は、菩提寺、仏具店、回収業者、自治体の粗大ごみの4つから、費用と自分で動ける範囲を見て選びます。回収業者を使うなら一般廃棄物処理業の許可を確認し、相続放棄を考えているなら中身を処分する前に専門家へ相談してください。位牌は小型の仏壇へ移す、繰り出し位牌にまとめる、過去帳に移す、寺院に預けるといった方法から、この先お参りする人の状況に合うものを選べます。

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この記事を書いた人

しまいごとノート編集部

費用相場・手続き・業者選びの下調べ担当

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