遺品整理・特殊清掃

遺品の服が捨てられないときの減らし方 リメイク・寄付・供養・データ化の費用目安

故人の服や着物、写真、手紙、ペット用品が捨てられないときに、リメイク・寄付・お焚き上げ・スキャンで残す形を変える方法を品目別に整理。費用の目安と業者選びの注意もまとめました。

しまいごとノート編集部
たたんだ着物と古いアルバム、手紙の束が並ぶ和室の机
目次
  1. 手放す順番は、迷わない物から決める
  2. 服と着物は、リメイク・寄付・買取で行き先を分ける
  3. 写真と手紙は、データにしてから原本を絞る
  4. ペット用品は、使える物を保護団体に届ける
  5. お焚き上げは、受付品目と方法を先に確かめる
  6. 業者に頼むとき、相続放棄を考えているとき
  7. まとめ

手放す順番は、迷わない物から決める

故人の服や手紙を前にして手が止まるのは、物と記憶が結びついているからです。全部を一度に決めようとすると、作業が進まないまま月日が過ぎます。四十九日や一周忌など親族が集まる日を区切りにして、品目ごとに方針を決めると進めやすくなります。

判断の順序は、次のように整理できます。

  1. 下着や使いかけの日用品など、明らかな消耗品を先に処分する
  2. 形見分けしたい物がないか、親族に聞いてから取り分ける
  3. 残った物を「そのまま残す」「形を変えて残す」「人に譲る」「供養して手放す」の4つに分ける

捨てられない物を減らす中心になるのは、3番目の「形を変えて残す」です。着物を小物に仕立て直す。写真をデータにする。服を必要とする人に届ける。原本の量は減っても、思い出の手がかりは手元に残ります。残す量の上限を先に決めておくと、「衣装ケース1箱まで」「アルバム2冊まで」のように線が引けます。

服と着物は、リメイク・寄付・買取で行き先を分ける

よく着ていた1〜2着を残し、残りに行き先を付けていくと量がはっきり減ります。衣類を譲る先には、いくつかの種類があります。

古着を国内外の支援に回す団体やNPOは、宅配便で送る形が中心です。送料は送り主の負担が多く、団体によっては1箱ごとに活動費としての寄付金を求めます。衣料品店の店頭回収は、自社製品に限っている店舗があります。自治体の古布・古着回収は、資源ごみの日や拠点回収で出せます。濡れると再利用できなくなるため、雨の日は出さないよう案内している自治体もあります。

着物は、柄を身近に置くなら巾着や名刺入れなどの小物、着て使うなら洋服へのリメイク、家族が着るなら寸法を合わせる仕立て直しが選べます。

品目・方法費用の目安向いている場面
衣類を支援団体へ寄付送料1箱1,000〜2,500円程度、団体により寄付金状態のよい服がまとまってある
自治体の古布回収無料が中心傷みの少ない普段着
着物を小物へリメイク1点数千円〜1万円程度柄を手元に置きたい
着物を洋服へリメイク1着3万〜10万円程度普段に着て使いたい
着物の仕立て直し数万円程度家族が着る予定がある
写真を業者でデータ化1枚20〜50円程度枚数が多く自分で読み取る時間がない
お焚き上げの郵送申込段ボール1箱5,000〜1万円程度手紙や人形を供養して手放したい

※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。

読者の疑問

着物をリメイクに出したあとでも、買取に出せますか?

しまいごとノート編集部

裁断した時点で、着物としての買取はできなくなります。証紙の付いた紬や作家物など値が付く可能性のある着物は、先に査定を受けてから、リメイクに回す1枚を選ぶ順番にすると選択肢が残ります。

写真と手紙は、データにしてから原本を絞る

写真のデータ化には3つの方法があります。スマートフォンのスキャンアプリは無料で始められますが、光沢のある写真は照明が映り込みやすくなります。家庭用のフラットベッドスキャナーは1万〜3万円程度で購入でき、数百枚までなら自宅で進められます。数千枚ある場合や、アルバムから剥がすと傷む古い写真は、業者への郵送依頼が向いています。アルバムを台紙ごと読み取るサービスもあります。

データはクラウドと外付けの記録媒体の2か所に保存しておくと、片方が壊れても残ります。原本は、遺影に使った写真や家族の節目の写真を1冊にまとめ、残りを手放す形が取れます。

手紙や日記は、手書きの文字そのものが形見になります。便箋を1枚ずつ撮影しておけば、原本を減らしても筆跡を見返せます。手紙には差出人の住所や名前が書かれているため、手放すときはシュレッダーにかけるか、お焚き上げに出します。束の中に通帳や保険証券、契約書が挟まっていることもあるので、処分の前に1通ずつ中身を確かめます。

ペット用品は、使える物を保護団体に届ける

故人がペットを飼っていた場合、未開封のフードやペットシーツ、タオルは、動物保護団体や保護施設が寄付を受け付けていることがあります。賞味期限が一定以上残っている物に限る、開封済みは受け付けないなど、条件は団体ごとに違います。送る前に、団体の公式サイトで受付品目を確かめます。

ケージやキャリーバッグは、自治体の粗大ごみとして出すのが一般的です。手数料は品目と自治体によって異なり、数百円から千円台程度です。首輪や名札、迷子札のように小さな物は、写真と一緒に1つの箱に収めておくと場所を取りません。

お焚き上げは、受付品目と方法を先に確かめる

お焚き上げは、寺社への持ち込みと郵送の2つが中心です。持ち込みは数千円程度から受け付ける寺社があり、郵送は段ボール1箱単位で申し込む形が多く見られます。人形、写真、手紙、衣類は受け付けても、金属やガラス、電池を含む物は断る寺社があります。申し込む前に受付品目の一覧を見て、箱に入れる物を仕分けます。

自宅の庭で燃やす方法は避けてください。環境省は、廃棄物処理法で野外焼却が原則禁止されていることを案内しています。煙やにおいで、近隣とのトラブルにもつながります。

宗教的な供養にこだわらない家庭では、白い紙に包んで一言添えてから、自治体の分別に従って出す方法もあります。親族の中に供養を望む人がいる場合は、その物だけをお焚き上げに回す分け方もできます。

業者に頼むとき、相続放棄を考えているとき

量が多く家族だけで運び出せない場合は、遺品整理業者や回収業者に頼むことになります。家庭から出る不用品を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可が必要です。国民生活センターは、無料回収をうたう業者に荷物を積まれた後で高額な料金を請求された相談を紹介しています。環境省も、無許可の回収業者を利用しないよう呼びかけています。依頼する前に、許可を持っているか、許可業者と提携しているかを業者に確かめ、見積もりは書面で受け取ります。

先に確認すること

相続放棄を考えている場合、価値のある遺品を売ったり処分したりすると、民法の規定により相続を承認したとみなされるおそれがあります。相続放棄は、自分が相続人になったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。着物や貴金属、骨董品の買取は放棄するかどうかを決めてから進め、判断に迷うときは弁護士や司法書士に相談してください。

まとめ

捨てられない遺品は、残す量の上限を決めてから、品目ごとに行き先を付けていくと減らせます。服は1〜2着を残して寄付や古布回収へ回し、着物は査定を受けてから小物や洋服にリメイクします。写真と手紙はデータにしてから原本を絞り、束の中に重要書類が混じっていないかを確かめます。未開封のペット用品は保護団体の受付条件を見てから送り、供養したい物はお焚き上げの受付品目に合わせて仕分けます。業者に頼むときは一般廃棄物処理業の許可を確かめ、相続放棄を考えているなら、価値のある物は判断が決まるまで手元に置いておきます。

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この記事を書いた人

しまいごとノート編集部

費用相場・手続き・業者選びの下調べ担当

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