墓じまい・改葬・永代供養

墓じまいをお寺に伝える順序と切り出し方、挨拶の日に用意するもの

墓じまいをお寺にどう伝えるか。電話・訪問・書面の順序、訪問時の持ち物と話す内容、閉眼供養と改葬許可までの流れ、揉めたときの相談先を手順で整理します。

しまいごとノート編集部
寺院墓地の参道に墓石が並ぶ静かな風景
目次
  1. 寺に連絡する前に、家族と改葬先を固める
  2. 電話、訪問、書面の順で伝える
  3. 挨拶の日に用意するものと、お金の話
  4. 離檀の相談から改葬許可、閉眼供養までの流れ
  5. 檀家総代と親族への伝え方
  6. 話がこじれたときの相談先
  7. まとめ

寺に連絡する前に、家族と改葬先を固める

寺へ最初に連絡する時点で、遺骨をどこへ移すかが決まっていると話が進みやすくなります。改葬許可の申請には、新しい納骨先が発行する受入証明書が要るからです。住職に「どちらへ移されるのですか」と聞かれて答えられないと、相談はまだ検討中の話として受け取られます。次の約束が決まらないまま終わることも多くなります。

家族の中で決めておくのは3点です。墓じまいをするかどうか、改葬先をどこにするか、費用を誰がどれだけ負担するか。手続きは墓の承継者1人でも進められます。それでも、兄弟姉妹や叔父叔母が後から寺へ異を唱えると、寺も対応に困ります。寺への連絡は、墓参りをしている親族の了承を取り終えてからにしておくと、住職に「親族も承知しています」と伝えられます。

電話、訪問、書面の順で伝える

最初の電話では、面談の約束を取るところまでにとどめます。電話口で墓じまいの話を全部してしまうと、住職が考える間もなく結論だけを聞かされる形になります。切り出しは「お墓のことでご相談があり、一度お伺いしたいのですが」くらいで十分です。候補日は2〜3日伝えます。お盆、春秋の彼岸、年末年始は法要が重なる時期なので外します。

訪問したら、墓じまいを考えた事情から話し始めます。遠方に住んでいて年に1回も墓参りができない。承継する子どもがいない。そうした具体的な理由を伝えたうえで、これまでの供養への礼を述べ、改葬先と時期の希望を話します。最初に離檀料の金額を尋ねると、関係がこじれる入口になりやすいので、お金の話は事情と礼を伝えた後にします。

書面は、訪問で了承を得た後に送ります。話し合った内容、閉眼供養(へいがんくよう)の希望日、埋葬証明書の発行をお願いしたい旨を便箋1〜2枚にまとめます。口頭だけのやり取りでは、後で認識が食い違ったときに確かめる手段がありません。日付を入れた手紙の控えを手元に残しておきます。

挨拶の日に用意するものと、お金の話

訪問当日に持っていくものは次の通りです。

用意するもの使いみち
手土産3,000〜5,000円程度の菓子折りなど。のしは「御挨拶」
墓地の使用許可証や永代使用承諾書区画番号と名義をその場で確認する
改葬先の資料受入れの見込みを示す。受入証明書が出ていれば写し
埋葬されている人の一覧氏名と没年月日。埋葬証明書の記載に使う
手帳閉眼供養の候補日をその場で決める

お布施の目安は、閉眼供養で3万〜10万円前後です。離檀料を包む場合は、法要1〜3回分にあたる数万〜20万円程度を目安として案内する石材店や改葬の専門業者が多く見られます。※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。

離檀料は、法律で金額や支払い義務が決まっているお金ではありません。墓地の使用規則や契約書に離檀時の定めがあるかを、訪問前に書類で確かめておきます。定めがあればそれに沿って話し、なければ感謝の気持ちとして包む額を家族で決めておきます。

離檀の相談から改葬許可、閉眼供養までの流れ

寺の了承を得た後の手続きは、おおむね次の順に進みます。

  1. 寺に埋葬証明書の発行を依頼する
  2. 改葬先から受入証明書を受け取る
  3. 現在お墓がある市区町村の窓口へ改葬許可申請書を出し、改葬許可証を受け取る
  4. 閉眼供養を営み、遺骨を取り出す
  5. 墓石を撤去し、区画を更地にして寺へ返す
  6. 改葬先に改葬許可証を出して納骨する

改葬の手続きは、厚生労働省が所管する「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいています。申請先は今お墓がある市区町村で、改葬先や自宅のある自治体の窓口では受け付けていません。申請書は遺骨1体につき1枚とする自治体が多いので、先祖代々の墓で遺骨が5体あれば5枚になります。書式と手数料は自治体のホームページで確認できます。

先に確認すること

寺院墓地では、墓石の撤去を寺が指定する石材店に限る規則を設けていることがあります。自分で見積もりを取った業者と先に契約すると、工事を断られて解約の手間や費用が生じます。石材店と契約する前に、指定業者の有無を住職に尋ねてください。

檀家総代と親族への伝え方

檀家総代は、檀家の立場から寺の運営を支える役です。墓じまいの手続きに総代の承認を求める法律上の決まりはなく、話す相手は住職です。一方で、地方の寺では総代や世話人を通して住職に話を通す慣習が残る地域もあります。どちらか判断がつかないときは、訪問の席で「総代さんにもご挨拶したほうがよろしいでしょうか」と住職に尋ねると角が立ちません。

総代から離檀を思いとどまるよう言われることもあります。その場で反論せず、家族で決めた事情をもう一度説明します。親族には、閉眼供養の日取りが決まった時点で知らせます。最後にそのお墓の前で手を合わせる機会になるため、日程は1か月以上前に伝えておくと参列の調整がしやすくなります。

話がこじれたときの相談先

寺との話し合いが進まないときは、揉めている中身によって相談先が変わります。

高額な離檀料を求められて折り合わない場合、寺が宗派に属していれば、その宗派の本山や宗務所に事情を伝える方法があります。墓石撤去の見積もりや改葬の代行サービスなど、業者との契約でトラブルになった場合は消費生活センターです。消費者庁が案内する消費者ホットライン188に電話すると、最寄りの窓口につながります。金銭の請求をめぐって法的な判断が要る段階なら、弁護士や日本司法支援センター(法テラス)に相談します。

読者の疑問

寺が埋葬証明書を出してくれない場合、改葬許可は申請できないのですか。

しまいごとノート編集部

墓地埋葬法の施行規則には、管理者の証明を得にくい特別な事情があるとき、市町村長が認める書面で代えられる定めがあります。認めるかどうかは自治体の判断なので、お墓がある市区町村の墓地担当窓口にこれまでの経緯を伝えて相談してください。

まとめ

墓じまいをお寺に伝えるときは、家族の合意と改葬先を先に固めてから、電話で面談の約束を取り、訪問して事情と礼を伝え、了承を得た内容を書面に残します。訪問の日には使用許可証や改葬先の資料を持参し、離檀料の定めは事前に書類で確かめておきます。その後は埋葬証明書、受入証明書、改葬許可証の順に書類をそろえ、閉眼供養と墓石の撤去へ進みます。話がこじれたら、揉めている相手と中身に合わせて、宗派の本山、消費生活センター、自治体の墓地担当、弁護士のいずれかに相談してください。

墓じまい離檀閉眼供養改葬許可檀家お寺への挨拶
この記事を書いた人

しまいごとノート編集部

費用相場・手続き・業者選びの下調べ担当

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