墓じまい・改葬・永代供養

遺骨の納骨先が決まらないときの自宅安置と手元供養、後日納骨の手続き

遺骨の納骨先が決まらないときに知っておきたい、自宅安置の期限の有無、火葬許可証の保管、手元供養と分骨証明書、後から永代供養や墓へ移す書類と改葬の流れを整理します。

しまいごとノート編集部
自宅の棚に安置された白い骨箱と、小さな手元供養用の骨壺
目次
  1. 納骨の時期に法律上の期限はない
  2. 火葬許可証は骨壺と同じ場所にしまう
  3. 自宅で安置するときの置き場所と手元供養
  4. 分骨を考えるなら証明書を先に受け取る
  5. 納骨先を決めるまで預けておく方法
  6. 後から永代供養や墓に移すときの書類
  7. まとめ

納骨の時期に法律上の期限はない

遺骨を自宅に置いておける期間を定めた法律はありません。厚生労働省が所管する墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)が禁じているのは、墓地として許可された区域以外に焼骨を埋めることです。骨壺を仏壇や棚に置いて保管しても、この禁止には当たりません。四十九日や一周忌に納骨する家が多いのは慣習によるもので、法律の期限とは別の話です。

気をつけたいのは、庭や自分名義の畑に遺骨を埋めてしまうケースです。私有地でも、墓地以外に埋めれば墓埋法に反します。自宅での供養は、骨壺のまま保管する範囲にとどめると覚えておけば判断を誤りません。

期限がないため、決められないまま何年もたつことがあります。墓を継ぐ人がいない。兄弟姉妹で宗派や費用の考え方が違う。実家の墓が遠方にある。止まっている理由を家族で書き出し、三回忌など目安の時期を一つ決めておくと、話し合いに区切りができます。

火葬許可証は骨壺と同じ場所にしまう

死亡届を出すと、市区町村から火葬許可証が交付されます。火葬が終わると火葬場が執行済みの証印を押して返し、これが墓地や納骨堂に遺骨を納めるときに出す書類になります。自治体によっては、この書類を「埋葬許可証」と呼んだり、別の用紙で発行したりします。

火葬場によっては、証印を押した許可証を骨箱に入れて遺族に渡します。数年後に納骨先が決まっても、書類が見つからなければ納骨の日取りを決められません。骨箱から出さずに保管しておくのが確実です。

紛失に気づいたら、火葬許可を出した市区町村の窓口に再発行を相談します。役所が申請書類を保存する期間には限りがあり、年数がたつほど再発行は難しくなります。気づいた時点ですぐ窓口に連絡すると、取れる手段が多く残ります。

自宅で安置するときの置き場所と手元供養

骨壺は直射日光と湿気を避けて置きます。陶器の骨壺は密閉されていないものが多く、中で結露してカビが生えることがあります。押し入れの奥、北側の部屋、浴室や台所の近くは湿気がこもりやすい場所です。ふたの合わせ目を密封テープでふさぎ、骨箱に乾燥剤を入れる方法があります。

関東のように遺骨をすべて持ち帰る地域では、骨壺の直径が20センチを超えることもあります。置き場所に困るなら、専門業者に頼んで遺骨を細かく砕く粉骨をし、小さな容器にまとめる方法があります。粉骨した遺骨の受け入れ条件は納骨先ごとに違うため、粉骨する前に候補先へ確認しておきます。

手元供養とは、遺骨の一部を小さな骨壺やペンダントなどに納めて身近に置く供養です。ミニ骨壺は数千円から数万円程度で買えます。一部を手元に残し、残りを永代供養墓などに納める組み合わせもあります。

分骨を考えるなら証明書を先に受け取る

分骨証明書を出すのは、火葬のときなら火葬場の管理者、墓地や納骨堂に納めた後ならそこの管理者です。この流れは墓埋法の施行規則で決められています。手元供養として自宅に置くだけなら証明書がなくても保管できます。ただ、分けた遺骨を将来ほかの墓や納骨堂に納めるときは、受け入れ先から分骨証明書を求められます。

先に確認すること

火葬の前に、分骨用の骨壺をいくつ用意するか火葬場に伝えておくと、その数だけ分骨証明書を出してもらえます。手数料は無料から数百円程度で、火葬場によって違います。後から証明書を取るよりずっと手間が少ないため、分骨する可能性が少しでもあるなら、火葬の前に葬儀社か火葬場へ伝えてください。

読者の疑問

火葬のときに分骨を頼まなかった遺骨を、いま自宅の骨壺から分けて別の墓に入れられますか。

しまいごとノート編集部

骨壺から遺骨を分けることはできます。ただ、分けた遺骨を別の墓地に納めるための証明をどこが出すかは、自治体や火葬場によって扱いが違います。まず火葬をした市区町村の担当窓口に、火葬証明書などで代わりになるか問い合わせてください。遺骨をいったん一か所に全部納めてから、その墓地の管理者に分骨証明書を出してもらう方法もあります。

納骨先を決めるまで預けておく方法

自宅に置いておけない事情があるなら、納骨先が決まるまで遺骨を預ける方法があります。寺院や霊園の納骨堂の中には、期間を決めて遺骨を預かる一時収蔵を受け付けているところがあります。費用は年間数千円から数万円程度が目安です。契約する前に、預かり期間の上限、延長できるか、期限が切れたら合祀されるかを契約書で確かめます。

市区町村が運営する公営霊園の合葬墓は、費用を低く抑えている例があります。その一方で、申し込みに居住要件があったり、募集が年1回の抽選だったりします。候補に入れるなら、募集時期から逆算して書類をそろえておきます。

預け方によっては、納骨堂に「納めた」扱いになり、別の墓へ移すときに改葬許可が必要になることがあります。一時預かりがどちらの扱いになるかは、預ける前に預け先と自治体に確認しておきます。

後から永代供養や墓に移すときの書類

必要な書類は、遺骨がいまどこにあるかで変わります。

遺骨の今の状態主に必要な書類提出先
自宅で保管し、一度も納めていない証印のある火葬許可証、または埋葬許可証新しい納骨先
分骨した一部を納める分骨証明書新しい納骨先
墓地や納骨堂に納めた遺骨を移す改葬許可証現在お墓がある市区町村で許可を受け、新しい納骨先へ提出

一度も墓や納骨堂に納めていない遺骨を初めて納めるなら、改葬の手続きはいりません。すでに納めた遺骨を別の場所へ移すのが改葬で、許可を申請する先は現在お墓がある市区町村です。移転先の市区町村ではないので、窓口を間違えないようにします。改葬はおおむね次の順で進めます。

  1. 新しい納骨先と契約し、受入証明書をもらう
  2. 現在の墓地や納骨堂の管理者から、遺骨を納めていることの証明を受ける
  3. 現在お墓がある市区町村に改葬許可申請書を出す
  4. 交付された改葬許可証を現在の管理者に見せ、遺骨を取り出す
  5. 新しい納骨先に改葬許可証を出して納骨する

費用の目安は、合祀型の永代供養墓で数万円から30万円程度です。一定期間は個別に安置してから合祀する型だと数十万円から、粉骨は1万円から3万円程度かかります。改葬許可申請の手数料は、自治体によって無料から数百円程度です。お墓から遺骨を取り出すときは、閉眼供養のお布施や墓石の撤去費用が別にかかります。※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。

まとめ

納骨の時期に法律上の期限はありません。骨壺のまま自宅で保管しても、墓埋法の禁止には当たりません。ただし、庭など墓地以外の場所に埋めることは禁じられています。納骨先が決まるまでは、証印のある火葬許可証を骨箱に入れ、湿気の少ない場所に安置します。

分骨や手元供養を考えているなら、火葬の段階で分骨証明書を受け取っておくと、後の手続きが少なくて済みます。後から移すときは、一度も納めていない遺骨なら火葬許可証、墓や納骨堂から移すなら現在お墓がある市区町村の改葬許可が必要です。預け先の条件や公営合葬墓の募集要項、費用は変わることがあるため、決める前にそれぞれの窓口で最新の内容を確認してください。

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