実家じまい・空き家
実家の売却はどこに相談する?仲介・買取・一括査定・自治体の違いと選び方
実家を売るときの相談先を、仲介・買取・一括査定・自治体窓口・空き家バンクで比べます。古家付きや更地、残置物ありの売り方と、無料査定で確認することもまとめました。
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目次
実家の売却で相談できる窓口は5つある
実家を売るときの相談先は、不動産会社の仲介、不動産会社の買取、一括査定サイト、自治体の空き家相談窓口、空き家バンクの5つに分けると整理しやすくなります。どこが合うかは、売り急ぐ事情があるか、建物を残すか、家財が残っているかで変わります。
| 相談先 | 主な役割 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 仲介 | 不動産会社が買主を探す | 価格を優先し、3か月〜半年程度は待てる |
| 買取 | 不動産会社が自ら買う | 早く現金化したい、傷みや残置物が多い |
| 一括査定サイト | 複数社への査定依頼をまとめて送る | 相場の幅を短時間でつかみたい |
| 自治体の空き家相談窓口 | 制度や専門家団体の案内 | 何から始めるか決まっていない |
| 空き家バンク | 自治体が物件情報を公開する | 地方で買い手が見つかりにくい |
実家が遠方にあるなら、相談先を選ぶ前に、鍵の管理と現地での立ち会いを誰が担うかを家族で決めておくと、査定の日程が組みやすくなります。
仲介と買取は、価格と早さのどちらを取るかで分かれる
仲介は市場で買主を探すため、相場に近い価格で売れる可能性があります。その代わり売れるまでの期間は読みにくく、内覧の立ち会いや、引き渡し後に見つかった不具合への対応を求められることがあります。買取は不動産会社が買主になるので、条件がまとまれば1か月前後で決済まで進むこともあります。買取の価格は、仲介で売れる見込み額の6〜8割程度が一つの目安で、差額には業者の改修費や再販までのリスクが含まれます。
| 観点 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 相場に近づきやすい | 相場より低め |
| 期間の目安 | 3か月〜半年以上 | 数週間〜1か月程度 |
| 仲介手数料 | かかる | 業者が直接買う場合はかからない |
| 残置物 | 売主が片付けて引き渡すことが多い | 家財ごと引き取る条件もある |
| 契約不適合責任 | 売主が一定期間負う取り決めが多い | 免責で合意する例がある |
仲介手数料には宅地建物取引業法にもとづく上限があり、売買価格が400万円を超える場合は「価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限です。国土交通省は2024年7月から、800万円以下の宅地・建物について、事前に説明して合意を得れば30万円に消費税を加えた額まで受け取れるよう規定を見直しました。※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。
古家付き・更地・残置物ありで売り方が変わる
古家付きのまま売ると、解体費を先に払わずに済み、買主がリフォームか建て替えかを選べます。更地にすれば土地を探している買主に届きやすくなります。ただ、木造30坪程度の解体でも100万〜200万円程度かかることがあり、前面道路の幅や重機が入れるかで費用は上下します。
解体を急がないほうがよい理由は2つあります。1つは固定資産税です。住宅が建つ土地に使われる住宅用地の特例は毎年1月1日時点の状況で判定され、更地になると翌年度から税額が上がる場合があります。もう1つは建築基準法の接道義務で、幅4m以上の道路に2m以上接していない土地は、取り壊すと原則として新しく建てられません。
相続放棄を考えているなら、実家の売却や価値のある家財の処分によって、民法上、相続を認めたものと扱われるおそれがあります。放棄するかどうか決めるまでは売却の申し込みや遺品の処分を進めず、家庭裁判所での手続きや専門家への相談を先に済ませてください。
残置物がある場合、仲介では引き渡しまでに家を空にする条件が一般的で、買取では家財ごと引き取る条件を出す業者もあります。自分で片付けを頼むなら、家庭から出る不用品を回収できるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持つ業者か、市区町村から委託を受けた業者です。環境省は、無許可で「無料回収」をうたう業者に家庭の不用品を渡さないよう呼びかけています。

一括査定・自治体窓口・空き家バンクの使いどころ
一括査定サイトは、物件情報を1回入力すると複数の不動産会社へ査定依頼が届く仕組みです。申し込み直後から複数社の電話やメールが続くことがあるので、連絡方法の希望欄があればメールを選び、依頼先は3〜4社程度にとどめると比べやすくなります。査定額が高い会社が高く売ってくれるとは限りません。根拠にした近隣の成約事例を見せてもらってください。
自治体の空き家相談窓口では、解体費の補助、空き家の管理方法、専門家団体による無料相談会などを案内しています。補助の有無や金額は自治体ごとに違い、年度の予算枠が埋まると受付を締め切ることもあります。解体を考えているなら、工事の契約前に問い合わせてください。
空き家バンクは、自治体が空き家の情報を公開し、移住希望者などとつなぐ仕組みです。仲介会社が扱いにくい地方の低額物件も載せられる一方、買い手が現れる時期は読めません。契約の進め方も自治体によって異なり、協力する不動産会社が仲介に入る方式もあります。
無料査定・相談で確認したいこと
査定や相談の場で次の点を聞いておくと、会社同士を同じ物差しで比べられます。
- 査定額の根拠にした近隣の成約事例と、売り出し価格との差
- 仲介と買取の両方を扱うか、買取ならその価格と決済までの期間
- 残置物の撤去や解体を、売主と買主のどちらが負担する前提か
- 勧める媒介契約の種類と、販売状況を報告する頻度
- 契約不適合責任を負う範囲と期間
媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類があります。専任媒介は契約期間が3か月以内で、2週間に1回以上の報告と、7営業日以内の指定流通機構(レインズ)への登録が不動産会社に義務づけられています。専属専任媒介では報告が1週間に1回以上、登録は5営業日以内です。
買取業者と契約した後に仲介へ切り替えたくなったら、クーリング・オフできますか。
宅地建物取引業法のクーリング・オフは宅建業者が売主になる取引で買主を守る制度で、個人が業者に売る買取には使えません。国民生活センターも自宅の売却を急がせる勧誘に注意を呼びかけています。違約金や手付金の条項を読み、共有者や家族の同意がそろってから署名してください。
名義と税金の期限を先に確かめる
親が亡くなった後の実家は、相続登記で名義を相続人に移さないと、売買契約と引き渡しを進められません。法務省の案内では、2024年4月1日から相続登記が義務になり、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない場合に10万円以下の過料の対象になります。
国税庁が案内する「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」では、1981年5月31日以前に建てられた家を相続して要件どおりに売ると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であることなどが条件で、家を相続した人が3人以上いると1人あたり2,000万円になります。現行の適用期限は2027年12月31日までの売却です。耐震改修や取り壊しの時期にも要件があるため、売り方を決める前に税務署か税理士へ確認してください。
まとめ
実家の売却相談は、価格を優先するなら仲介、期間や家財の片付けの手間を減らしたいなら買取が軸になります。相場をつかむ段階では一括査定で3〜4社の査定を集め、解体の補助や地方での買い手探しは自治体窓口と空き家バンクで並行して確かめると、比べる材料がそろいます。
解体と家財の処分は、相続放棄をするかどうか、住宅用地の特例、接道の条件を確認してから決めてください。相続登記の3年と特別控除の売却期限は、無料査定を申し込む時点で家族と共有しておくと、選べる売り方を狭めずに進められます。
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