終活ガイド

終活は何歳から?年代別の優先順位と、まず一つだけ始める順番

終活は何歳から始めればいいのか。40〜50代・60代・70代以降で先にやることの順番を整理し、紙1枚から始める手順、不用品回収の許可や改葬手続きの注意点までまとめました。

しまいごとノート編集部
ダイニングテーブルにノートと通帳を広げ、終活で先にやることを書き出している手元
目次
  1. 終活に「何歳から」という決まりはない
  2. 年代別に、先にやることと後でいいこと
  3. 「まず一つだけ」なら、この3つのどれか
  4. 物を減らすときに事故が起きやすい場所
  5. お金と契約を、家族が探せる形にしておく
  6. お墓と供養は、行き先を決めてから手続きに入る
  7. まとめ

終活に「何歳から」という決まりはない

始める年齢の基準は、法律にも制度にもない。実際に手が動きはじめるのは、退職や年金の手続きが重なる60代前半、住まいを変えるかどうかを考える70代前半、それから家族の入院や介護が始まったときが多い。年齢そのものより、生活が切り替わるタイミングのほうが合図になる

40代や50代で始める人もいる。親の入院や実家の片付けが入口になりやすく、自分の情報を整えるついでに親の契約先も確認できる年代だから。80代で「もう遅い」ということもない。

止まる原因はだいたい同じで、一度に全部やろうとすること。終活と呼ばれる作業は、物の整理、お金と契約、医療と介護の希望、葬儀とお墓、遺言と相続の5つに分かれる。この5つを並行させないだけで、続く確率は上がる。

年代別に、先にやることと後でいいこと

年代の目安先に手をつける急がなくていい
40〜50代保険証券と年金記録の保管場所、サブスクや有料アプリの棚卸し、親の契約先の確認葬儀やお墓の詳細
60代使っていない口座の解約、家の中の総量を減らす、医療の希望を家族に一度話す思い出品の細かい仕分け
70代以降遺言書、財産の一覧、お墓と供養の行き先、判断力が落ちたときの財産管理家具や家電の入れ替え

60代で効くのは口座の集約。取引先が5行に分かれていれば、相続の手続きも5回分になる。戸籍謄本一式をそろえ、各行の書式に記入し、窓口や郵送でやりとりする。休眠に近い口座を2つ閉じておくだけで、遺された家族の作業量が変わる。

70代以降は順番が入れ替わる。物より先に、書類と意思表示。片付けは体力を使うので、家族や業者の手を借りる前提で計画したい。

「まず一つだけ」なら、この3つのどれか

  1. A4の紙1枚に、取引のある金融機関・保険会社・携帯会社の名前と連絡先だけを書く(残高や暗証番号は書かない)
  2. 引き出しを1つ選び、20分だけ手を動かして中身を分ける
  3. 加入している保険の証券がどこにあるかを、家族のうち1人に伝える

金額を書かないのが続けるコツで、金庫にしまう必要がなくなり、鉛筆で何度でも直せる。見直しは年1回、誕生日か確定申告の時期に決めておくと忘れにくい。

読者の疑問

エンディングノートを買ったものの、1ページ目の家族構成の欄で止まったまま2年経ちました。

しまいごとノート編集部

前から順に埋める決まりはありません。書けた欄にだけ日付を入れて、迷う欄は空けたまま置いてください。エンディングノート自体に法的な効力はないので、後から何度でも上書きできます。医療の希望や葬儀の規模は、体調や家族の状況で考えが変わるものです。

物を減らすときに事故が起きやすい場所

家庭から出る不用品は一般廃棄物にあたり、これを業として回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可が必要になる。無料回収をうたって巡回し、積み込んだ後に高額な料金を求める手口については、環境省や国民生活センターが繰り返し注意を呼びかけている。依頼先に許可があるかは、その市区町村の廃棄物担当窓口に問い合わせれば確認できる

自治体の粗大ごみ収集は、1点あたり数百円から二千円台の手数料が中心で、品目と地域によって幅がある。自分で持ち込める処分施設を置く自治体もあり、車が使えるなら収集より安く済むことがある。生前整理なら、本人が「これは残す」と言える。遺品整理との違いはそこにある。

先に確認すること

親などが亡くなった後の片付けで、借金の有無がはっきりせず相続放棄を検討している場合は、遺品の処分を先に進めないでください。価値のある品を売却したり処分したりすると、相続を承認したとみなされることがあります。相続放棄の申述は原則として相続の開始を知った時から3か月以内で、家庭裁判所への手続きです。迷う段階では弁護士や司法書士へ。

お金と契約を、家族が探せる形にしておく

不動産があるなら相続登記から。2024年4月1日に申請が義務化され、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になる(法務省)。義務化より前に相続した不動産も対象に入る。

保険は請求されて初めて支払われる。保険法では保険金の請求権が3年で時効にかかるとされており、家族が契約の存在を知らないまま期間が過ぎてしまうことがある。生命保険文化センターも、証券の保管場所や契約内容を家族と共有しておくよう案内している。

遺言書を書くなら要件を外せない。自筆証書遺言は、本文の全文と日付、氏名を自分で書いて押印する。財産目録だけはパソコンで作ったり通帳のコピーを添えたりでき、その各ページに署名押印する。法務局の自筆証書遺言書保管制度を使う場合、申請手数料は1件3,900円で、自宅保管で起きがちな紛失や書き換えの疑いを避けられる。※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。

お墓と供養は、行き先を決めてから手続きに入る

お墓を移す改葬には順序がある。

  1. 新しい受入先(霊園・納骨堂・樹木葬など)と契約し、受入証明書を出してもらう
  2. 今の墓地の管理者に、埋蔵(埋葬)の証明を書いてもらう
  3. 改葬許可申請は、いま遺骨があるお墓の所在地の市区町村へ出す(引っ越し先の役所ではない)
  4. 交付された改葬許可証を、新しい受入先へ提出する

墓地埋葬法に基づく手続きで、申請書の様式や必要書類は自治体ごとに違う。逆に先へ進めて墓じまいの見積もりだけ取ると、受入先が決まらないまま石材店との日程が動いてしまう。

永代供養や樹木葬は、総額より条件を確かめたい。何年後に合祀されるのか、年間管理料がかかるのか、後から家族が追加で納骨できるのか。この3点は契約前に書面で確認できる。

読者の疑問

父は「墓はいらない」と言うのですが、兄が反対して話し合いが止まっています。

しまいごとノート編集部

反対の理由が費用なのか、お参りする場所がなくなることなのかで、選ぶ先が変わります。後者なら、承継者を求めない納骨堂や樹木葬で、参る場所を残せる形もあります。まずは候補ごとの条件を1枚に並べて、家族が同じ資料を見るところからで十分です。

まとめ

終活に適齢期はない。退職、住み替えの検討、家族の入院といった節目が実際の合図になる。40〜50代は保険と契約の在りかを整え、60代は口座と物の量を減らし、70代以降は遺言書と財産の一覧、お墓の行き先を先に決める。

最初の一手は紙1枚で足りる。取引先の名前と連絡先を書き、保険証券のありかを家族の1人に伝える。それだけで、残された人が探し回る時間は短くなる。

外さないでほしいのは3つ。不用品の回収を頼むなら市区町村の一般廃棄物処理業の許可を確かめること、相続放棄を考えているなら遺品を動かす前に専門家に相談すること、お墓を移すなら現在の所在地の市区町村へ申請すること。あとは、自分のペースで進めて構わない。

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この記事を書いた人

しまいごとノート編集部

費用相場・手続き・業者選びの下調べ担当

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